急性中耳炎
季節も変わりつつある10月下旬。ちまたでは風邪が流行っている。
今月で4歳になるにゃん子ちゃんは、昨日38度の発熱があった。にゃん美さん(にゃん子の母)は、にゃん子が左耳痛も訴えているのが気にかかり、しまりす耳鼻科を受診したのだった。
受付を済ませ、順番待ちをするにゃん子とにゃん美。しばらくすると診察室のドアが開いた。

にゃん子ちゃん、診察室へどうぞ!荷物はこちらにおいてくださいね。

にゃん子ちゃん、私と一緒に診察椅子に座ろうね。

今日はどうされました?

こんにちは。
先生、うちの子なんですけど、7日前からねばねばの鼻水がたくさんでて、夜に痰が絡む咳が出て、目が覚めることも多かったんですけど、なかなか病院にいく時間がなくて。
昨日の晩に38度の熱が出て、左耳が痛いっていうんです。
夜の10時に家にあった解熱剤を飲ませて、その後は落ち着いたんですけど、今朝は耳は痛くないっていうのですが、不安に思って連れてきました。

今は熱はないようですね。では、診察しましょうね。
まずはお耳から診てみましょう。

お耳・お鼻・のどの順番にみせてね。怖くないからね。

耳垢が取れているよ。にゃん子ちゃん、気持ちいいね。

お母さん、左耳は急性中耳炎になっていますよ。右耳は今のところ大丈夫です。
今からファイバーで鼓膜の写真を記録に残しますから、一緒にご覧になってください。

本当ですね。色が違いますね。

そうですね。左耳の急性中耳炎は中程度といったところですね。

次はお鼻だよ。

今度は鼻水を吸うからね、大丈夫だよ。

にゃん子ちゃん、上手ね、その調子よ!お口をぽかーんと開けていてね。

最後はお口の中を見るよ。あー、って言えるかな?

あー!

のどの中はきれいですね。

にゃん子ちゃん、よく頑張ったね!

鼻水がたくさん出ましたね。お母さん、鼻水はおうちでも黄色ですか?

そうですね。たまに緑っぽい色のときもあります。

そうなんですね。にゃん子ちゃん、急性鼻炎と左の急性中耳炎に罹患しています。
すでに鼻炎が始まってから1週間ほど経過していて、色合いもかなり濃いものとなっていますね。
鼓膜の腫れ具合は中程度で、これなら鼓膜切開までは要らないと思います。
抗菌薬と痰切れ、咳止めと解熱鎮痛薬を出しますね。薬が切れる頃にもう一度受診してください。

わかりました。

では、ネブライザーにご案内します、こちらへどうぞ~。

お大事にどうぞ。

先生、ありがとうございました。

ばいば~い!
熱が出て、耳が痛い急性中耳炎
急性中耳炎は、人によっては耳鼻科で一番に連想する病気ではないでしょうか?
主に小学校入学前までの幼児の罹患率が高く、まだ乳離れが出来ていない頃から中耳炎にかかったことのあるお子さんもいらっしゃるのではないかと思います。
急性中耳炎の特徴は、高熱、そして耳の痛みです。もちろんそのいずれもが軽度だけど、急性中耳炎であった、ということもあります。
どうして耳が痛くなるの?
急性中耳炎で耳痛が生じるのは、鼓膜より内側の空間で膿がたまるからです。
これが鼓膜を押しやり、程度の強い急性中耳炎の場合、急激に鼓膜が膨れてしまいます。
これが耳の痛みの原因です。
場合によっては鼓膜の切開をした方が良い時も
急性中耳炎についてはガイドラインが作られており、程度によってはお薬だけで良くなることもありますが、重症の場合、鼓膜切開をした方がいい時もあります。
急性中耳炎は鼻風邪と同時にかかりやすい
中耳炎は単独で起きる時もありますが、大概、鼻風邪を一緒にひいている時が多いですね。
鼻と耳は兄弟のようなものであり、どちらかだけ治せば良いというものではなく、両方治さなければ、なかなかすぐには治りません。
中耳炎といえば急性中耳炎を皆さん連想されますが、同じ中耳炎という名前を冠する病気の、慢性滲出性中耳炎とは異なる病気ですので、注意してくださいね。













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