急性鼻炎
季節も変わりつつある10月下旬。ちまたでは鼻風邪が流行っている。
今月で3歳になるわんた君も、ねばねばの鼻水がなかなか止まらない。
毎晩鼻がつまり夜泣きに困ったわんた母は、わんた君を連れて、しまりす耳鼻科へ連れてきたのだった。
受付を済ませ、順番待ちをするわんたとわんた母。しばらくすると診察室のドアが開いた。

わんたくん、診察室へどうぞ!荷物はこちらにおいてくださいね。

わんたくん、私と一緒に診察椅子に座ろうね。

わんたさん、どうぞ。今日はどうされました?

こんにちは。
先生、うちの子なんですけど、3日前からねばねばの鼻水がたくさんでて、夜もしょっちゅう目が覚めるんです。咳もあります。

痰が絡むような咳ですか?

そうです。

熱はないようですね。では、診察しましょうね。
まずはお耳から診てみましょう。

お耳・お鼻・のどの順番にみせてね。怖くないからね。

耳垢が取れているよ。わんたくん、気持ちいいね。

お母さん、鼓膜は両方とも問題ないですよ。

よかった。中耳炎になっていたらと、心配していました。

次はお鼻だよ。

今度は鼻水を吸うからね、大丈夫だよ。

わんた君、上手ね、その調子よ!お口をぽかーんと開けていてね。

最後はお口の中を見るよ。あー、って言えるかな?

あー!

のどの中はきれいですね。

わんたくん、よく頑張ったね!

鼻水がたくさん出ましたね。お母さん、鼻水はおうちでも白色ですか?

たまにくしゃみをして、鼻水がどばっと出る時は、少し黄色い時もあります。

そうなんですね。ねばねばの鼻水が多いですが、耳とのどは今のところ問題ないようです。
ウィルス性の急性鼻炎ではないかと思います。
今はまだ抗菌薬は要らないと思いますが、痰切れの薬など、対症療法薬をいくつか処方しますね。

鼻水や咳などは、薬を使ってもすぐに治るものではありません。
御自宅で鼻吸いなども時々してあげてくださいね。
薬を使っていればじき治るものと思いますが、薬が無くなる頃にまだ症状が残っているようでしたら、またいらっしゃってください。

わかりました。

では、ネブライザーにご案内します、こちらへどうぞ~。

お大事にどうぞ。

先生、ありがとうございました。

ばいば~い!
さまざまな病気につながる鼻風邪、早めの治療が肝心
1歳前後から小学校入学前までの乳児・幼児は、よく鼻風邪をひきます。
鼻風邪は鼻づまりの原因となり、夜泣きにつながることも多く、子育て中のご両親にとっては厄介な病気です。
長引くと、急性中耳炎や慢性滲出性中耳炎、急性副鼻腔炎へと繋がることも多く、早めの治療が肝心です。
発症後数日程度の鼻炎は抗菌薬は不要なことがほとんどであり、このシナリオのように適切な鼻処置と吸入、去痰薬などによる排膿、自宅での鼻吸いにより改善することが多いですが、改善まで時間を要することも多いです。
長期化し黄色鼻汁などがたくさん出る場合、抗菌薬を使用することもあります。
特に幼少期の集団保育により慢性的に感染の機会が多い場合、通院する期間が長くかかることもあります。













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